前回の記事で海外就職の方法を書いた。
しかし、日本人全員に海外就職を勧める訳では決してない。日本人の中には、海外就職に向いていない人というのが一定数存在するからだ。
そこで今回は、海外で生活している自分から見て「海外就職に向いてないヒト」について書いていこうと思う。
少しでも当てはまると思った人は要注意。海外移住や海外就職を考える前に、そのマインドをまず変えるべきなのだ。
こんな人に海外就職はおすすめしない!
海外就職をするメリットは多々存在する。
日本では経験出来ないグローバルな職場。
フェアな労働環境。
国によっては、日本より高い賃金。
一見、多くのメリットがありそうな海外就職だが、向いていない人というのも一定数確かに存在する。
それはどのような人か?
次から海外就職をおすすめしないヒトを3つのタイプ別に紹介していこう。
日本の労働環境から抜け出したい人
日本の労働環境は先進国の中でもダントツで厳しい。自分も日本にいた時は、7年間も毎日朝から晩まで働いていたので、その気持ちはよくわかる。
出勤時には・・・
布団に入ると・・・
と何百回、何千回と考えたことがある。
7年間も日本の労働環境で生き延びられたのは、
という強い想いがあったからだ。
しかし、ここで「海外に行けば楽が出来る」と思った人は要注意だ。
海外就職=楽という方程式は成り立たない。
現地の人から見たら、外国人である日本人が働くということは、現地の人の雇用を奪っているということになる。
そのため、海外で働く日本人は、現地の人では生み出せない付加価値を常に提供して、その国の発展に貢献しなければならない。
就労ビザを取るにも過去の職歴が重要視される。日本での職歴は語学力よりも重要視されるし、シンガポールや香港などは学歴もビザの発給の有無の対象になる。
海外で働くということは、常に・・・
ということを意識して、結果を残し続けなければならない環境に身を置くことになるのだ。
結果を出し続けないと行けないという環境から、日本で働く以上に大きな重圧がある。しかし、フェアな環境で自分の力を思う存分試したい人には最適な環境と言えるだろう。
決して「海外就職=楽」ではないのだ。
海外にいても日本人とばかりつるむ人
以前に、ワーホリで海外生活をしてても日本人とばかり群れ、英語がまったく身につかない人のことを書いた。
実はワーホリだけでなく、これは仕事で海外に来ている人にも同じことが言える。
つい最近、日本の大手総合商社の駐在員の方と飲む機会があった。
その駐在員曰く・・・
このような生活で、地元の人とは平日の仕事以外では一切交流がないそうだ。
もちろん、現地の言葉など覚える気はまったくない。
駐在員と言えば、日本では憧れの対象だが、実態は海外の小さな日本人コミュニティ内での生活なのだ。(もちろん、そうではない駐在員の方もいるかもしれないが。。。)
彼らは会社の命令でこちらに来て、数年したら日本に帰ることが決まっているため、このような生活なのは、致し方ない面もあるのかもしれない。
しかし、自分の意思で海外に来る人は、きちんとその国とそこで生活する人をリスペクトし、その国で働かせてもらっているという意識を持つべきだ。
確かに気心知れた日本人コミュニティは居心地が良いが、そのような人達は・・・
という問いに対して答えを持っているだろうか?
もちろん海外に出たら、日本人と付き合うなと言っている訳ではなく、バランスが大事だということだ。
自分自身、日本人同士のコミュニティのイベントは参加せず、付き合いを2:8(日本人:その他)くらいに意識的に抑えている。
日頃の日本人の付き合いを抑えることによって、地元の人や別の国の人と交流する時間を増やし、自身の知見やその国の見識を広げることができる。
自分と価値観の違う人たちとの交流は、最初は居心地が悪いかもしれない。
しかし、居心地の悪い空間こそ、自身の成長のきっかけがあるものなのだ。
日本人の自分は優秀だと思っている人
海外にいると・・・
このような考えの残念なニホンジンがたまにいる。
要は、他国(欧米以外の国)を見下しているニホンジンだ。
残念ながら、そのような人間は若い人より年配の方が多い気がする。
彼らは「Japan as Number One」の時代を経験し、未だに日本が世界の超一流国だと思っている。
まさに「空気は読める」けど「時代は読めない」ニホンジンだ。(そんな時代を経験していないにも関わらず、他国を見下している若い人も残念ながら存在するが。。。)
他国の人は、そんな日本人の優越感に浸っている態度に気付かない訳がない。
実施、タイでは「邦人中高年の傍若無人なる振る舞い」が問題視されており、「40歳以上のニホンジンお断り」というゲストハウスもあるほどだ。
そんな日本人は「早く日本に帰って、二度とそこから出ないで欲しい」というのが自分の切なる願いだ。
確かに、日本はGDPで世界3位の経済大国ではあるが、それとイコールで日本人は優秀という訳ではない。
現在、自分は海外のとある企業で働いているが、自分以外の周りの人たちは、地元の言葉に加え、英語、中国語、日本語と3~4か国語を話すトリリンガルばかり。
日本語と英語でいっぱいいっぱいの自分は、非常に肩身の狭い思いをしている。
それくらい海外では、日本人が想像できない程の優秀な人材がごろごろいる。
繰り返しになるが、海外で働きたいなら、その国をリスペクトし、働かせてもらっているという意識を持つべきだ。
それが出来ないようであるならば、日本から出るべきではないだろう。
海外で働くという現実
数年前にイランを旅行した際、エスファハーンという世界遺産を持つ街でアフガニスタン出身の少年と出会った。
もうすでに流暢に英語をしゃべれるのにも関わらず、彼はこの街に来ている観光客を捕まえては、英語を教えて欲しいと懇願していた。
話を聞くと彼は、アフガニスタンからイランに難民として逃れてきて、将来のために英語を勉強しているとのことだった。家で独学で文法などを学び、会話の練習をこうして観光客相手に練習してきたそうだ。
学校に行くお金などないので、多くの観光客に煙たがられながら、彼は毎日、エーマム広場という世界遺産で英語力を磨いていたのだ。
イランで外国人であるアフガニスタン出身の彼が働いて生活していくには、地元のイラン人より多くの努力をしていかなければならないと話していた。
これは海外で働く日本人にも当てはまることだろう。
自分が住みたい時に住みたい国に住む。このような世界になれば理想だ。
しかし、グローバライゼーションが叫ばれ、国という概念が薄らいでいると言えど、やはり外国人が他国で働くというのは、それなりの覚悟が必要なのだ。
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