2年ほど前、自分のFacebookとLineに突如、大学時代の元カノが「知り合いかも」表示された。
以前にも記事に書いた、自分が就活で苦戦している時に
という捨てゼリフと共に大手広告代理店に内定を得た友人(以下、A君とする)をたぶらかし、自分の家に連れ込んで一夜を共にしたあの彼女だ。
その時の記事:三浪私立文系でも就活で大手企業に内定した話
この元カノは大学時代の同じサークルの1個下の後輩で、A君はサークルの同級生だった。
しかし、この元カノはA君を自分の家に半ば強引に連れ込んだものの、相手にされず、後日フラれてしまう。
その後、彼氏の乗り換えに失敗した元カノは、気まずいのかサークルに来なくなり、今でも続いているサークルの同窓会に顔を出すことはない。
つまり、元カノとは別れてから約10年近く会っていないのだ。
そんな元カノが現在何をしているか気になったので、Facebookを覗いてみることにした。
フリーランスで成功してKindleで本まで出版していた元カノ
そのFacebookを覗いてみると、彼女はある特技を生かしてフリーランスとして活動していて、なんとkindleで本まで出版していた。
あまり「成功」という言葉は好きではないが、kindleで本まで出版しているところをみると、事業として上手く軌道に乗っていると推察される。
今の世の中、フリーランスで生計を立てている人は珍しくもないが、自分が驚いたのは「彼女が」フリーランスをしているということだった。
元カノの大学時代を知る人なら、誰も「彼女がフリーランスをして生計を立ってている」ことを信じないだろう。
それくらい元カノはフリーランスとは縁遠い人間だったのだ。
ある特技を生かしてフリーランスとして活動していると言ったが、大学時代はその特技自体の片鱗もなかった。
フリーランスで成功する要因など全くなかった大学時代の彼女
自分が通っていた大学はいわゆるお嬢様が多い学校で有名だった。
今でこそ少なくなっているかもしれないが、当時の女子達は銀行のなどの一般職に勤め、数年にはそれなりの企業に勤めている男を捕まえて寿退社。
夢は専業主婦。
そんな人生を目標に立てる子が圧倒的に多かった。
もちろん、元カノもそんな女子達の1人で、地方出身だが生活費は全て親の仕送りでまかない、アルバイト経験は無し。
「女の幸せは結婚で決まる」と本気で信じて疑っていなかった。
そんな元カノだが、やはり就職活動は相当苦戦したらしい。
特に自慢できる特技や仕事を通じて実現したいこともなく、仕事は結婚までのお小遣い稼ぎと思っていた彼女は、中々内定が出ず、やっと内定を得たのは関東の田舎にある某IT系の子会社。
就活前にはこう息巻いていたブランド志向の彼女とって、この結果は相当の屈辱だっただろう。
会社員からフリーランスなるきっかけは”適応障害”と”休職”
そんな彼女が会社員からフリーランスなるきっかけはなんだったのだろうか?
ここからは彼女のブログから、その後の人生を書いてみる。
「周りがやっているから」と流されて、就活をした彼女の社会人生活は大変だったようだ。
深夜まで続く残業。
ボーナスカットに減給。
毎日上司からの罵倒。
セクハラ&パワハラ。
そして、ついに社会人6年目の29歳の時に適応障害と診断され休職となる。
人生に絶望し、家に引きこもる失意の日々。
そんな中で「やりたくもないことをやる毎日」に疑問を持ち始め、会社を退職することを決意。
それから試行錯誤しながら、フリーランスで独立し、生活できるようになったことが彼女のブログには書いてあった。
大学の時に彼女と別れてから、一切連絡を取っていなかったが、ブログを読むと自分と彼女のその後の人生は非常によく似ていると思う。
自分も激務に耐えて兼ねて29歳の時に休職。
そこから日本のサラリーマン生活に疑問も持ち、世界を周り、行き着いた香港の会社でただ1人の日本人として働いている。
もちろん、サラリーマンがダサくて、彼女のようなフリーランスや自分のような海外で働く人間がエラいと言うつもりは毛頭ない。
しかし、そう思われても仕方がないくらい、日本の場合、多くのサラリーマンは現状維持のことなかれ主義で、思考停止しているのではと思うことが多々あるのだ。
思考停止している日本のサラリーマン達
大学の同窓会で集まると友人達から度々このような発言を聞く。
まだ30歳そこそこなのに、自分の人生にどこか諦めモードや達観しているところがある。
「それでも一応、結婚もしているし、子供もいる。家も買っているし、そこそこの人生なんじゃない?」
そんな本音も見え隠れする。
10年近くサラリーマンをやってきて、ある程度、どこまで出世するか見えてきた。転職などの新しい挑戦もしたいけど家族もいるし、家のローンも残っているからリスクも取りたくない。
でも周りを見渡すとみんな同じ人生。
そんな安心感もあってか「自分は何がしたいのか?」「自分が世の中に出来ることは他にないのか?」そんな疑問も持たず、考えることを辞めて現状維持で満足。
こんな風に思考停止してしまっているサラリーマンの友人達が非常に多い。
これでも日本では一流大学と呼ばれる学校の出身者達で、東証一部上場の世間では大企業とされる会社のサラリーマンなのだ。
もちろん、このようなサラリーマンではない方もいる。
しかし、日本の場合、年功序列が強く、海外と比較すると風通しが良いとは決して言えない組織が多い。
新しいチャレンジをしようと転職を試みても、給与が下がることが一般的で、転職回数も3回までと言われるように事実上、制限されている。
このように日本の多くのサラリーマンは、若いうちから思考停止にならざるを得ない環境に置かれているのは確かだ。
人と違うことやレールから外れることをするのは勇気がいる。横並び意識の強い日本では特にそうだ。
しかし、自分も彼女も「日本の当たり前」に疑問を持ち、自分の頭で考えて、踠いて苦しんで行動した結果が人生を変えた。
10年近くずっと一緒にいる大学のサラリーマンの友人達よりも、10年近く会っていない彼女の方が、生き方の部分で大きく共感できるのだ。
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