現在、香港に住んでいるが、香港と言えば世界トップクラスの人口密度を誇る場所でもある。
ここに来る前は、香港の朝の通勤も日本の満員電車のように・・・
と思っていた。・・・が実際はそれほどでもなかった。
人は確かに多いが、体が密着する訳でもなく、十分にスペースがあるので不快には感じない。
では、なぜ香港の朝の通勤電車は、世界トップクラスの人口密度を誇るにも関わらず、日本ほど混雑していないのか?
その答えは、香港の電車を利用するうちに、日本とは決定的に違う香港人の習慣と価値観によるものだと言うことがわかってきた。
この香港人の習慣と価値観は、日本の朝の通勤時の満員電車解消にも大きなヒントを与えてくれるものだ。
小池都知事も満員電車の解消に四苦八苦しているようなので、是非参考にしてもらいたいと思う。
なぜ香港の朝の通勤電車は混まないのか?
その答えは香港人と日本人の価値観の違いにある。
香港ではMTR(エムティーアール)と呼ばれる地下鉄がメインの交通手段だ。※ちなみに台湾、タイ、シンガポールの鉄道はMRTと呼ばれている。
日本の電車と違って時刻表はないが、2~3分に一回の割合で列車が来るので、東京の山手線と同程度の運行間隔と考えて良い。
しかし、日本の朝の通勤電車とは乗車率が決定的に違う。下の図を見てみて欲しい。
首都圏を走る日本の朝の通勤電車なら、どこも200パーセント近い乗車率を叩き出すが、香港の場合は一番混む路線でも最大150パーセント程度。
高い人口密度を誇る香港で、何故この乗車率なのだろうか?
それは「やって来た列車がある適度混んでいたら、1本逃して次を待つ」と言う香港人の姿勢にある。
つまり…
その心は…
この出社に対する価値観の違いがお互いの国を良く表しており、電車の乗車率にも大きく影響を与えているのだ。
香港の朝の通勤から学ぶ日本の満員電車対策
香港人と日本人の満員電車に対する決定的な違い。それは心の余裕だ。
日本の電車の遅延関連のニュースは、世界から見たらお笑いの世界と言っても過言ではない。
電車の遅延で遅刻。賃金カット!
会社に遅れるから線路にダイブ!
会社のために命がけで定時出社する日本人。
1分の遅刻も寛容できない日本社会。
列車遅延に怒声をあげる乗客たち。
ではなく
と言いたくなるような不寛容社会。
結局、日本人自らが、自分たちで生きづらい社会を作っているのだ。
香港のように交通機関の遅刻ぐらいは「仕方ないよね」と大目に見れるような寛容な社会であれば…
電車が混んでいるから「次を待とう」という心の余裕があれば…
乗車率200パーセントの電車など走ることはないだろう。
日本の満員電車を解消するに必要なことはたった一つ。
二階建ての電車を走らせるなどの技術的なことではなく、電車が混んでいるから「次を待とう」という心の余裕なのだ。
最後に
最後に笑い話を一つ。
香港人は「列車がある適度混んでいたら、1本逃して次を待つ」と言ったが、これに当てはまらない人たちがいる。
それはインドからの移民だ。
彼らは列車が来たら、とにかく乗る。乗車率が高くてもとにかく乗る。割り込んでもとにかく乗る。
ちなみに彼らの母国の列車の乗車率はこのような感じだ。もはや乗車率測定不能。
もしかしたら、インド人も会社のために命がけで、定時出社する国民性なのかもしれない。。。
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