女性はコミュニケーション能力が高いという嘘


しばし、ネットやテレビで「女性はコミュニケーション能力が高い」という言葉を耳にする。
 

事実、順天堂大学医学部の入試で、「女性はコミュニケーション能力が高い」という理由から、点数を補正する必要があるとして、女性の点数が一律に下げられた事件もあった。
 

しかし、こういった言葉を聞くたびに思う。
 

はたして、本当にそうだろうか?
 

と。
 

以前、日本で参加した友人の結婚式で、こんなことがあった。
 

同じテーブルに既婚女性が4人、そのうち3人は子育て中だ。
 

式の中、その3人の女性は、終始子供の話で盛り上がる一方、もう1人の子供のいない女性は完全に蚊帳の外。
 

後から聞いた話だが、その女性は不妊治療をしているとのことだっだ。
 

これを見ても「女性はコミュニケーション能力が高い」と言えるのだろうか?
 

今回は、自分が長年疑問に思っている「女性はコミュニケーション能力が高い」という違和感について語ろうと思う。
 

 

女性はコミュニケーション能力が高いという嘘


上記の子供がいる3人の女性にとっては、同じ子供がいるという環境で同じテーマで盛り上がれる。
 

子育ての中で嬉しかったこと。苦労したこと。
 

そう言ったことを共有し、共感し合うことはさぞかし楽しいだろう。
 

しかしながら、もう一人の子供のいない女性から見れば、どうだろうか?
 

この場での話題を必ずしも「子育て」にする必要はあったのだろうか?
 

このような傾向は、日本だけではない。
 

以前、南米を旅をしていた時、現地でブラジル人の女子2人と意気投合し、一緒にしばらくの期間、旅をしたことがある。
 

彼女達は幼馴染みで、休みの度に一緒に海外旅行をする仲だった。
 

しかし、その後、片方が結婚・出産をし、2人は次第に疎遠になっていく。
 

この様なことから以下のことが言えないだろうか?
 

女性はコミュニケーション能力が高い
 

ただし・・・
 

同じ境遇・ライフステージにいる人だけに限る!
 

と。
 

何故、女性は同じ境遇やライフステージにいる人だけとつるむのか?


では何故、女性は同じ境遇・ライフステージにいる人と集まりがちなのか?
 

ポイントは2つある。
 

それは、「ライフイベント」と「共感」だ。
 

女性にとってのライフイベント

自分は海外に住んでいるにも関わらず、時折、日本にいる女友達から年賀状を受け取ることがある。
 

しかし、年賀状が届くのは、その友達が結婚か出産した年だけなのだ。
 

そして、その年賀状には結婚式や生まれた子供の写真が必ず使われている。
 

男友達からは、そういった年賀状が届くことはまずない。
 

これは女性にとって、結婚や出産と言うライフイベントの重要性が、男性に比べて大きいことを表しているだろう。
 

確かに結婚を機に生活水準や環境が変わるのは、男性よりも女性の方が多いし、苗字が変わるのも女性の方が圧倒的多数だ。
 

自身がお腹を痛めた出産ならなおさらだろう。
 

だから、マリッジハイやマタニティハイ(その逆も然り)も女性側が圧倒的に多い。
 

そのため、女性にとってライフステージが違うという事は、住んでいる国が違うくらい、置かれた環境や状況が異なるのだ。
 

共感は女性にとっての必須項目・共感

女性は共感を目的にコミュニケーションをすると言われる。
 

女性がただ悩みを共感してもらいたくて相談しているだけなのに、男性が、つい解決方法を示そうとして、反感を買うというのはよく聞く話だ。
 

しかし、その共感はライフステージが同じでないと中々感じにくい。
 

子供がいない人が・・・
 

さりげないマウント
子供は可愛いよ~
 

と言われても共感は得るのは難しい。
 

共感をコミュニケーションの目的とする女性にとって、人生の中で大きなウェイトを占めるライフステージが違うということは、お互い共感を得られず、居心地の悪いコミュニケーションとなってしまうのだ。
 

女性はコミュニケーション能力が高いという嘘

ワーホリで語学を学びにきたのに、いつも日本人同士でつるむ学生達。
 

毎日、同じカフェで井戸端会議をしている駐在員妻達。
 

海外にいるにも関わらず、日本人同士でしかコミュニケーションを取ろうとしない集団を、しばし皮肉を込めて「日本人村」と呼ぶことがある。
 

日本人同士だけとつるむのが、けっして悪いと言っている訳でない。
 

海外という慣れない環境で、同質性が高い人だけで集まり、助け合うのは理にかなっているからだ。
 

そして、この日本村と同じく、女性のコミュニケーション方法がまさに同質性が高い人たちだけで行われる傾向がある。
 

独身、既婚、子持ち。
 

同質性が高い集団にいると、しばし同調圧力を生んだり、異質なものを排除しようとする排他性や、他集団に優劣を付ける批評性を生み出す。
 

同調圧力系女子
結婚したら、子供を産んで当たり前!
 

排他系女子
ママ友の集まりなんだから、子供がいないヤツは来るな!
 

批評系女子
結婚して幸せ~。だから独身は可哀そうwww
 

同質性の高い集団にいると、自身の集団の常識が世の中の常識と思いこみ、多様性を受け入れるのが難しくなるのだ。
 

もちろん、女性のコミュニケーションは、「共感」を第一の目的としているので、同質性が高い人たちだけで集まるのが最適なのだろう。
 

しかし、その裏で女性の特有のコミュニケーション方法には、このような負の側面があるのだ。
 

自分の話したい事だけを話すのは、大人のコミュニケーションとは言わない

社会人になったばかりの頃、日経新聞でこんな言葉を見かけた。
 

「社会人になったら、十歳年上と十歳年下の友人を作りなさい」
 

これは文字通りの意味ではなく、「価値観や育った環境の違う人と交わりなさい」と言う意味だと自分なりに解釈している。
 

冒頭の結婚式の話に戻すと、同じ環境下にいる者同士で子育ての喜びや悩みを共有し、共感し合うことは本人たちにとっては楽しいものだろう。
 

しかし、その裏で輪に入れない人がいる。
 

自分の話したい事だけを話すのは、果たして大人のコミュニケーションと言えるのだろうか?
 

同質性が高い人たちだけで行われるものを高いコミュニケーション能力と言えるのだろうか?
 

もちろん、「共感」を第一の目的とした女性特有のコミュニケーションを否定するつもりはない。
 

すべての女性が当てはまるとも思わない。
 

しかし、「女性のコミュニケーション能力は高い」という言葉だけには、大きな違和感を持つのだ。
 


2 件のコメント

  • Ray より:

    JONNYさん、初めまして。
    インターネットでたまたま情報を調べたら記事を拝見させていただきました。
    いろんな内容書かれていますので興味深いです。

    私は80”前半生まれですが同じ世代かなと思います。
    家族構成は(自分、妻、6才の男の子)

    もし宜しければ香港や日本の話についていろいろ交流出来ればとうれしいです。

    よろしくお願いいたします。

    • Johnny より:

      Rayさん
      コメントありがとうございます!
      是非、こちらこそ交流出来たら嬉しいです。

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