高校の時のクラスメートで、クラスの1,2位を争う可愛さの女の子、A子とB子がいた。
2人とも自他共に認める可愛さで、卒業文集の特集で行われた「クラスの可愛い子ランキング」で1,2位を独占した子達だ。
あれから、10年とちょっと。
15人いた女子クラスメートのうち、A子とB子を除く、13人がすでに結婚している。
美人でスタイルも良く、上場企業に勤務しているハイスペックなA子とB子のみが独身でカレシもいないのだ。
決して、2人の性格や素行に問題がある訳ではない。
しかし、彼女達より地味で大人しく控えめな女の子達の方が、男性から人気で結婚も早かった。
なぜ、あれほど「高嶺の花」であったA子とB子だけが未婚で、恋愛からも遠ざかってしまったのか?
今回はその理由について、ちょっと考えてみることにしよう。
恋愛において、男は自分に自信がない女性が好き?
社会人に成り立ての頃、先輩に誘われて参加した合コンでこんなことがあった。
その合コンは4対4で、相手の女性の中に特徴的な2人の女性がいた。
北川景子似で誰もが気を引きそうな美人のC子。
大人しくて自分に自信がなさそうなD子。
合コンの中で、彼女達に「好きな異性のタイプは?」という鉄板の質問を投げかけてみると・・・
2人はこう回答する。
さらに質問を投げかけると・・・
特別、美人という訳ではないD子。
しかし、その自分に自信のないことが読み取れる数々の発言に、男性陣は彼女の虜になる。
結局、合コンの最後には、誰も北川景子似のC子には見向きもせず、男全員がこのD子狙いという結果になってしまったのだ。
この様に男は恋愛において、完璧な美人より何か隙のある女性を好む人が多い。
大人しくて、控えめで、少し自分に自信がない。そんな女性だ。
AKB48などのアイドルを数々ヒットさせた秋元康は、この様に語っている。
自分に自信がある訳ではないけれど、自分なりに精一杯頑張って、成長しようとしている。
そんなシンデレラストーリーの途中のような女の子に、男達は魅了されて応援するのだ。
これはアイドルだけでなく恋愛でも同じことが言える。
男は美人で仕事も家事も完璧にこなす女性よりも、大人しくてどこか隙があり、控えめな、ややもすれば自分に自信がないような女性を好む傾向がある。
男は手に届くと思うからこそ、アプローチをする。だからこそ、男にとって完璧な女性は可愛くないのだ。
なぜ男は自分に自信がないような女性を好むのか?
では、なぜ男はちょっと自分に自信がないような女性を好むのだろうか?
それには、日本人独自の以下の2つの理由から説明ができる。
理由1 不完全なものに美を求める日本人の価値観
「なぜ男はちょっと自分に自信がないような女性を好むのだろうか?」と言ったが、これに当てはまらない人達がいる。
それは海外の男性達だ。
以前、アメリカ出身の友人に好みの異性タイプを聞かれ・・・
と答えると・・・
西洋はシンメトリー(左右対称)や黄金比など、完璧なものを美しいとする一方、日本は「わび・さび」に代表されるように、不完全なものに美を求める傾向がある。
あの清少納言も下記のように述べている。
満月に美しさを見出す西洋人に対して、少し欠けている月に美しさを見出す日本人。
だからこそ、日本人は「少し自分に自信がない女性」に美しさを見出し、「いとおかし」となるのだ。
理由2 男性優位な社会の影響
少し欠けている月を好むように、不完全なものに美しさを見出す日本人。
しかし、それだけでは「自分に自信がない女性」がモテる理由にはならない。
何故なら、男の場合は、仕事も家事も完璧にこなし、年収も高くイケメンである程モテるからだ。
そこに「自信のなさ」が入り込む余地はない。
「自分に自信がない女性」が恋愛において人気であるもう1つの理由。
それは日本の「男性優位な社会」の影響だ。
ダボス会議を主催する「世界経済フォーラム」は、男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」を毎年発表している。
日本の順位は世界144カ国中114位。
「女性の社会進出」や「男女平等」がクローバルな流れとは言え、日本ではまだまだ男性優位な部分は、至る所で見られる。
大学が女性の受験者の得点を減点したり、政治家が女性議員に対して「早く結婚しろ!」「子どもを産め!」と野次を飛ばす。
女性は男性を影で支えるもの。女性は男性より目立ってはいけない。
日本では、そんな空気感が未だに色濃く残る。
だからこそ、男性と肩を並べて仕事をバリバリこなす女性よりも、大人しく控えめな、女性を好まれるのだ。
日本では「東大の女子大生はモテない」としばし言われるが、アメリカでは「ハーバード大女子大生はモテない」と言われることはない。
少し自分に自信がない女性が好まれる背景には、男性の優位の社会の存在の裏返しなのだ。
自分に自信がない人は無理に自信をつける必要はない
これまで見て来たように、日本人男性が「少し自分に自信がない女性」を好む理由には、ポジティブとネガティブな2つの側面が複雑に絡み合っている。
・ネガティブな理由 男性優位な社会の影響
ネガティブな側面である 男性優位な社会の影響は「女性の社会進出」や「男女平等」のクローバルな価値観の浸透に伴い、徐々に薄れていくだろう。
男性と肩を並べて仕事をバリバリこなす女性「も」好まれる時代がすぐ来るはずだ。
しかし、1000年以上も続いている不完全なものに美を求める日本人の価値観は、今後も大きく変わることはないだろう。
大人しくてどこか隙があり、控えめな、ややもすれば自分に自信がないような女性が、日本人男性の中で人気であることはこの先も続くに違いない。
日本ではよく「自分に自信がない」という人に対して・・・
とか、SNSに自撮りを大量にあげているモデルや俳優が・・・
などと言ってアドバイスをしているシーンによく出会う。
しかし、本当に「自分に自信を持つこと」は重要なのだろうか?
「自分に自信がない」というのは、「目指したい理想の自分」と言うのがきちんとあって、でも現実はそこから遠い。だから、悩んでいる。
そんな状態のことをを言う。
極端なマイナス思考や僻みはダメだが、その理想に1歩でも自分なりに近づく努力をしていれば、必ず見てくれている人がいる。
自分の容姿に自信がなければ、化粧や服装を頑張ってみる。異性と話すことが苦手であれば、とりあえず相手の目を見て話してみる。
重要なのは容姿でも自信でもなく、そんな理想に向かって「自分なりに」頑張っているという、相手の心を動かすストーリーなのだ。
シンデレラストーリーの途中のような女の子に、男は魅了される。これは1000年も前から日本人の中にある美意識だ。
自分が「欠点」だと思っているところは決して「欠点」ではなく、見る人には「魅力」に映る。
だからこそ、自信など無理に持つ必要などないのだ。
自信がない女性は海外でも・・・
先日、香港のニュースで「中国人女性と結婚する香港人男性が増加している」と言うニュースを見た。
その理由は中国人女性は香港人女性に比べて・・・
・大人しい
・控えめ
・優しい
と言った理由からだそうだ。
このニュースを当の香港人の友人♂に振ってみたところ、この様に反応が返ってきた。
そう言えば、「わび・さび」の起源は、中国の宋(960〜1279年)の時代の道教にあるという。
シンデレラストーリーの途中のような女の子に魅了されるのは、隣の国も同じようだ。
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