SNSで若い子に絡むキモいおじさんから見える日本の社会問題


今、Facebook、Twitter、Instagram等の多くのSNSで見られる痛いおじさん達がキモいやウザいと言った言葉でディスられている。
 

「エアーポートおじさん」「クソリプおじさん」「Facebookおじさん」と様々な呼び名で形容されるSNS上の日本のおじさん達は、すっかり若者に忌み嫌われる存在になってしまった。
 

そんな中でも、特に若い女の子を狙って、SNS上のコメントで絡みにいくおじさんは、アラサーになり、おじさんの部類に入り出した同性の自分からでもかなり気持ちが悪い。
 

実は、このようなSNS上で、若い子を狙って絡みにいくおじさん達は、日本のみならず、アジア各地でも猛威を奮っているという事実をご存知だろうか。
 

自分の友人である香港人女子(20代)は言語交換アプリ「Hello talk」を使って日本語を勉強している。
 

このアプリは、外国語を学ぶためのTwitterだと思ってくれていい。そんな彼女が先日、日本語でこんなつぶやきを投稿した。

香港女子
もうこのアプリ辞めようかな。。。
 

すると彼女のコメント欄には・・・

日本人おじさん(50代)
香港女子ちゃんが辞めたら寂しいよ〜
日本人おじさん(40代)
一緒に日本語の勉強続けようよ
日本人おじさん(30代)
香港女子ちゃん、辞めないで〜
 

おわかりいただけるだろうか? 若い女の子に群がる日本のおじさんの気持ち悪さに。
 

この「Hello talk」だけではない。Facebook、Twitter、Instagram、TikTok等の様々なSNSで、この様な若い女の子に絡む、彼女達の倍以上の年齢のおじさん達が存在する。
 

若い子に絡みたがるおじさんは確かにどこの国でもいるが、日本のおじさん達の数は群を抜いており、自分の友人である香港人女子もかなり冷めた目で見ていた。
 

日本の恥と言っても差し支えない、この若い子目当てのおじさん達がSNS上で繁殖している理由は一体なぜなのだろうか?
 

そこには日本社会が内包する深い深い闇があったのだ。

SNSで若い子に絡みたがるキモいおじさんの3つの心理

なぜこうも日本のおじさん達はSNSで若い子に絡みたがるのだろうか?
 

その理由は日本の価値観や時代背景に起因した以下の3種類のおじさんの心理がある。そして、これらのおじさんの心理から、日本が抱えている社会問題も同時に見えてくるのだ。
 

その1 若い女性に自分は好かれていると勘違いしているから


女性における「若さ=価値」という考え方は世界中に存在するが、特に日本はその傾向が強い。
 

女子アナやお天気お姉さん、レースクイーンにコンパニオン。日本には女性の「若さ」を絶対条件に存在している職業が多々ある。日本のアイドル文化など、その最たるものだろう。
 

「女性の価値は若さ」という文化の中で、一番、権威を振るっているのが「年功序列」という名の日本の食物連鎖で、頂点に立つ日本のおじさん達だ。
 

このおじさん達のご機嫌を取るために、若い女性が利用されるケースが、日本のサラリーマンの文化の中にも垣間見える。
 

例えば、自分が日本で働いていた時の会社では、飲み会の時に新卒の女性は偉いおじさんの隣の席に座り、お酌しなければならないという暗黙のルールがあった。
 

さらにバレンタインデーではおじさんのために、若い女性がチョコを用意する。そこに拒否権というものは存在しない。
 

女性の権利が強い海外では考えられないことだが、誤解を恐れずに言うと、日本のサラリーマン社会で若い女性が求められる役割は、おじさんのご機嫌取りと言っていい。
 

しかし、ここで厄介なのは、会社で若い女性にチヤホヤされたおじさん達は、それがパフォーマンスだと気付かず、公共の場でも「自分は若い女性に好かれている」と勘違いすることだ。
 

TwitterやFacebookなどのSNSで若い女性に絡み出だし、「あわよくば」を狙い始める。中には会社の若い女性を個別に呼び出し、セクハラや交際を迫ったりするおじさんもいる。
 

日本の年功序列という制度と「女性の価値は若さ」と考え、若い女性を商品のように見なす文化が、このようなSNS上のおじさんの暴走を生み出しているのだ。

その2 孤独や寂しさを埋めて欲しいから


最近、「日本のおじさんは世界一孤独」という言葉をよく聞くようになった。
 

その火付け役となったのが「世界一孤独な日本のオジサン (角川新書)」という本だ。

なぜ日本のおじさんは世界一孤独なのか? 著者は以下2つの理由を挙げている。
 

・コミュニティの欠如
・コミュニケーションの欠如
 

これはどういうことか?

今でこそ、転職は一般的になりつつあるが、多くの日本のサラリーマンは1つの職場に、定年まで過ごすケースが圧倒的に多い。
 

そのため、日本のサラリーマン文化で生き抜いてきたおじさんは、以下の問題点を抱えているという。

コミュニティの欠如
・長時間労働で職場以外の居場所を作る時間がない。
・職場の価値観に染まり、考え方や文化が違うコミュニティを受け入れる事が出来ない。
コミュニケーションの欠如
・年齢や肩書きが重要視されるサラリーマン文化の中で、他者とフラットに付き合えない。

このように職場以外で居場所を作るのが難しく、そこでうまくいかなくなった時に、セーフティネットとしての居場所がないのだ。
 

また、以前にも触れたが、日本には友人をカテゴライズする文化がある。
 

「高校の友人」「大学の友人」「職場の同僚」。日本人はこれらは綺麗にカテゴライズする傾向があり、彼らをつなぎ合わせる、紹介するといったことは一般的ではない。
 

恋人や配偶者と友人ぐるみで付き合うことも少ない。あくまで「恋人・配偶者の友人は他人」というスタンスを取り、お互いの交友関係に深入りはしない。
 

中華圏のおじさんのように、行きつけの飲茶で集まって友人の輪を広げていくようなことや、欧米のように恋人や配偶者とパーティに積極的に参加し、交流を深めていくといった文化も希薄だ。
 

さらに生涯未婚や熟年離婚の増加といったものが、日本のおじさんの孤独や寂しさに拍車をかける。
 

そんな孤独や寂しさの穴を埋めるために、日本のおじさんはSNSで若い子を求めてさまよっているのだ。

その3 承認欲求が満たされないから


一昔前の年功序列が強かった時代、日本のおじさんは若い人を飲みに連れていき、自分の武勇伝を語ることで承認欲求を満たしていた。
 

しかし、最近の20代や30代前半の若者は、会社に忠誠心がなく、給与や職場の人間関係よりも自分の時間を大切にする傾向がある。
 

彼らはデジタルネイティブというインターネットのある生活環境の中で育ってきており、職場以外での居場所を見つけるのが得意で、かつ好景気だった日本を知らないため、給与が上がらない会社への忠誠心が希薄だ。
 

それまでの他のどの世代よりも価値観や考え方で大きく隔たりがある世代と言える。
 

そのため、上司から飲みに誘われても、時間の無駄と言わんばかりに断る若者も多く、「苦言」や「説教」といった上からの物言いでしか若者とコミュニケーションが取れないおじさんが増えてきている。
 

自尊心を満たしてくれる相手がいなくなってしまった現代のおじさん達。
 

そんなおじさん達の満たされない承認欲求が、SNS上で若い女の子を捕まえて、アドバイスという名目で上から目線で絡みにいく現象を引き起こしているのだ。
 

まとめると・・・

SNSで若い子に絡みたがるキモいおじさんの3つの心理
1.若い女性に自分は好かれていると勘違いしているから
2.孤独や寂しさを埋めて欲しいから
3.承認欲求が満たされないから

SNSで若い子に絡むキモいおじさんから見える日本の社会問題


最近、インターネット上で、空港にいることをSNSで報告するおじさんを「エアポートおじさん」、筋トレの写真をアップロードするおじさんを「筋トレおじさん」と呼ぶなど、おじさんのSNS投稿の一挙手一投足に過剰に反応し、笑い者にする傾向がある。
 

確かに上記で取り上げたように、若い子に絡み「あわよくば」を狙っているおじさんは気持ち悪いが、それ以外は若い女性の自撮りと同じで、ただ承認欲求を満たしたいだけのものだ。
 

こんなおじさんであれば、もう少し寛大な心で見ても良いのではないだろうか?
 

そして一番問題なのが、どのネット上の記事もおじさん達の行動をただ揶揄するだけで、その裏にある社会問題に目を向けたものはほとんどないことだ。
 

商品として扱われる若い女性。増える中年男性の孤独死。職場のコミュニケーションの希薄化。
 

おじさんのSNS投稿の振る舞い1つ1つに、実はこう言った日本の社会問題が内包されているのだ。
 

特定の人物の行動を取り上げて、笑い者にして、それで終わりであればイジメと本質的には何も変わりはない。
 

確かに若い世代にとって、時として日本のおじさんのSNS上での振る舞いはウザかったり、気持ち悪いものがあるのは確かだ。
 

しかし、その背景に目を向けてみると日本社会が内包する問題が見えてくる。
 

おじさん達に対して「ウザい」「キモい」と言った言葉で思考停止するのではなく、彼らのSNS上の言動の背景を分析、熟考することも時には必要なのではないだろうか。
 

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2 件のコメント

  • れん より:

    でもやっぱおじさんはキモい無理ごめん

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